ジョホール日本人会安全対策部/事務局

                       

         マレーシアについての渡航情報(危険情報)の発出

                                   2015年07月28日

●サバ州東側の島嶼部及び周辺海域

:「渡航の延期をお勧めします。」(継続)

●サバ州東海岸のうち,サンダカン,ラハ・ダトゥ,クナ及びセンポルナ周辺地域

:「渡航の延期をお勧めします。」(一部引き上げ)

●サバ州東海岸のうち,上記「渡航の延期をお勧めします。」発出以外の地域(タワウ含む)

  :「渡航の是非を検討してください。」(継続)

 ☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。

 

1.概況

(1)マレーシアの治安情勢はサバ州東海岸及び東側の島嶼部及び周辺海域を除き安定しています。

 しかしながら、マレーシアは、タイ南部、フィリピン南部、インドネシア等イスラム過激派組織を抱える国・地域と

隣接しており、今後、国際情勢の推移の状況によっては、欧米など非イスラム諸国に対する感情が悪化し、マレーシア

にある外国権益に悪影響が及ぶ可能性が必ずしも排除できないことは留意しておく必要があります。

 さらに、2014年6月には、イラク及びシリアでの自爆テロを計画していた武装組織に属するマレーシア人男性が逮捕

されたほか、多数のマレーシア人がテロ関連の容疑で逮捕されるなど、マレーシア国内各地にテロを企図する複数の

武装組織が存在していることが明らかにされていますので、今後とも警戒が必要です。 

 

(2)東マレーシア(ボルネオ島)のサバ州南東部ラハ・ダトゥ地区では,2013年2月,「スールー王国軍(Royal Sulu

Sultanate Army)」と称する武装勢力によるフィリピン側からの侵入事案が発生しました。これに対し,同年3月以降,

マレーシア警察・軍による共同作戦が実施され,同年6月末,作戦終了が宣言されました。その後事態は沈静化して

いますが,スールー・スルタンはサバの領有権を引き続き主張しており,今後も同種の事案発生が懸念されます。

 

(3)また,サバ州東側の島嶼部及び周辺海域においては,これまでにフィリピン南部を拠点とするイスラム過激派

アブ・サヤフ・グループ(ASG)等による外国人誘拐事件が発生しており,最近では海岸にあるレストランや島しょ部

のリゾートに対する襲撃事件が発生するなど不穏な状況が続いています。

 

(4)シリアやチュニジアにおいて日本人が殺害されるテロ事件をはじめ、ISIL(イラク・レバントのイスラム国)等

のイスラム過激派組織又はこれらの主張に影響を受けている者によるとみられるテロが世界各地で発生していることを

踏まえれば、日本人、日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険があります。このような情勢を十分に認識

し、誘拐、脅迫、テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう、渡航情報及び報道等により最新の治安・テロ

情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じる

よう心がけてください。

 

2.地域情勢

(1)サバ州東側の島嶼部及び周辺海域

 :「渡航の延期をお勧めします。」(継続)

 

 ア 同地域では,隣国との密出入国,密輸が絶えず,武器の押収事案や海賊事件が数多く発生しています。

また,以下のとおり,マレーシア人及び外国人の誘拐事件等が発生しています。

(a)2010年2月,センポルナ沖のセバンカット島におけるマレーシア人誘拐事件

(同年12月,フィリピン南部において解放)

(b)2013年8月,センポルナ沖・ブンブン島における,マレーシア人漁民誘拐事件(直後に解放)

(c)2013年11月,センポルナ沖・ポンポン島のリゾート施設における,台湾人夫妻襲撃・誘拐事件

(1名はその場で殺害,1名は連れ去られ,同年12月解放)

(d)2014年4月,センポルナ沖・シンガマタ島のリゾート施設における,中国人旅行者及びフィリピン人従業員襲撃・

誘拐事件(5月解放)

(e)2014年5月,ラハ・ダトゥ沖・バイキ島の養魚場における,中国人マネージャー誘拐事件(7月解放)

(f)2014年6月,クナ沖の養魚場における,中華系オーナー及びフィリピン人警備員誘拐事件

(g)2014年7月,センポルナ沖の養魚場における中華系オーナーを狙った誘拐未遂事件

(h)2014年7月,センポルナ沖・マブール島のリゾート施設における,警備中の警察官襲撃・誘拐事件

(1名はその場で殺害,1名は連れ去られたもの)

(i)    2015年6月,センポルナ沖・ポンポン島付近において,夜間航行禁止令を無視して航行していた不審船と

   マレーシア治安当局との間で銃撃戦が発生

 イ マレーシア当局は,海軍・警察・海上法令執行庁等による警戒を実施しているものの,約500キロメートルに及ぶ

長い海岸線や50以上の島全域にわたる警備にも限界があることから,同地域には依然として誘拐・テロの脅威の

可能性があると指摘されています。2014年7月以降,マレーシア当局はサバ州東側のサンダカン,キナバタンカン,

ラハ・ダトゥ,センポルナ,タワウ各地域の沿岸から3海里の地点からフィリピン国境までの海域に対して夜間航行

禁止令を発出しています。

 

ウ ついては,同地域への渡航は依然として誘拐等の脅威があり,不測の事態に巻き込まれる可能性があります

ので,どのような目的であれ当面控えて下さい。

 

エ なお,この海域に近接するフィリピン領域内での誘拐事件,ASGの活動等については,フィリピンの危険情報も

御参照ください。

 

(2)サバ州東海岸のうち,サンダカン,ラハ・ダトゥ,クナ及びセンポルナ周辺地域

:「渡航の延期をお勧めします。」(一部引き上げ)

 

ア 2013年2月12日,東マレーシア(ボルネオ島)のサバ州南東部ラハ・ダトゥ地区において,「スールー王国軍

(Royal Sulu Sultanate Army)」と称する数百人規模の武装勢力によるフィリピン側からの侵入事案が発生しました。

同年3月以降,マレーシア警察・軍は,空軍航空機,装甲戦闘車を投入した共同作戦を実施,同年6月末,

作戦終了が宣言されました。その後事態は沈静化していますが,スールー・スルタンはサバの領有権を引き続き

主張しており,今後も同種の事案発生が懸念されます。

 

イ センポルナ郊外では,2013年3月,同武装勢力と思われる外国人侵入者とマレーシア警察との間で銃撃戦が発生

しました。また,クナ地区でも同月,マレーシア治安当局が同武装勢力と思われる複数の侵入者を発見しましたが,

依然逮捕に至っていません。

 

ウ 2015年5月,サンダカンにおいて海岸にある観光客向けの高級レストランにて,中国系の共同オーナー女性及び

客の男性の計2名が,ASGとみられる武装集団に誘拐される事件が発生しました。同市にいては,更なる襲撃の

可能性も排除し得ない状況です。

 

エ このほか,2012年11月,サバ州南東部のパームヤシ農園においてマレーシア人農園労働者4人が武装集団に

誘拐される事件が発生しました(2人は現場付近で解放,残る2人のうち1人は2013年8月,監禁先のフィリピン

南部から脱出)。 

 

オ ついては,不測の事態に巻き込まれる可能性がありますので,同地域への渡航は,どのような目的であれ控えて

  下さい。

 

(3)サバ州東海岸のうち,上記(2)発出以外の地域(タワウ含む)

:「渡航の是非を検討してください」(継続)

 

ア サバ州東海岸のうち「渡航の延期をお勧めします。」発出以外の地域についても,ラハ・ダトゥに上陸した武装勢力

がマレーシア軍の攻撃を受け,各地に拡散・潜伏していたり,新たな武装勢力がフィリピン側より侵入する可能性

があります。

 

イ ついては,同地域において武装勢力の脅威がある点に留意し,不要不急の渡航は控えてください。その上でなお,

渡航・滞在される場合には,日程・連絡先等を日本のご家族や現地の関係者に必ず伝えるとともに,在マレーシア

日本国大使館にも事前に連絡して,詳しい現地事情の収集に努め,十分な安全対策をとられることをお勧めします。

 

3.その他の注意事項

マレーシアに渡航・滞在される際は,以下を参考にしつつ,状況に応じ,現地の大使館又は総領事館,あるいは関係

機関等より最新情報を入手して安全対策に努めてください。

 

(1)    マレーシアは,タイ南部,フィリピン南部,インドネシア等イスラム過激派組織を抱える国・地域と隣接しており,

今後,国際情勢の推移の状況によっては,欧米などに対する感情が悪化し,マレーシアにある外国権益に対して悪影響が

及ぶ可能性も排除されないことに留意しておく必要があります。

 

(2)    マレーシアでは,特に都市部において,強盗,置き引き,ひったくり,スリ,あるいは「いかさま賭博」や

「振り込め詐欺」などの詐欺といった一般犯罪に巻き込まれる例が増えています。常に危機意識を持ち,また甘い言葉を

用いて接近してくる人物には十分警戒して,このような犯罪に巻き込まれないよう注意してください。

 犯罪被害例,防犯対策等の詳細については,<安全対策基礎データ>をご参照ください。

 

(3)    マレーシア国内には特段の旅行制限区域はありませんが,軍事関連施設や宗教施設の中には立ち入りを

禁じている場所がありますので,宗教施設や公園又は地方を訪問する際には特に慎重に行動し,当然のことですが,

柵等が設けられている場所に無断で立ち入ったり,動植物を捕獲・採取したりしないよう留意してください。

 なお,写真撮影も,被写体となる施設あるいは人物(特に女性)によっては問題となることがありますので,事前

に可否を確認する等,十分注意してください。

 

(4)    マレーシアでは麻薬等違法薬物に対する規制が厳しく,違反した場合の法定刑は非常に重く,最高刑には

死刑が規定されています。麻薬等違法薬物の使用や売買に関わったり,また知り合いであっても中身のわからないもの

を安易に預かったり,日本その他への運搬に手を貸すなどの違法行為に巻き込まれないようくれぐれも慎重に行動して

ください。

 

(5)「渡航の是非を検討してください。」以上の危険情報が発出されているサバ州東海岸及び東側の島しょ部及び

周辺地域に既に滞在している方は,不測の事態に備え,退避手段・経路等についても再確認してください。

 

(6)「現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく管轄の大使館・

総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他の届出事項に変更が生じたとき又はマレーシアを去る

(一時的な旅行を除く)ときは,必ずその旨を届け出てください。

なお,在留届は,在留届電子届けシステム(ORRネット:http://www.ezairyu.mofa.go.jp/)による登録をお勧め

します。また,郵送,FAXによっても行うことができますので,管轄の大使館・総領事館まで送付してください。

 

(7) 「たびレジ」

在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)について,現地での滞在

予定を登録していただけるシステムとして,2014年7月1日より,外務省海外旅行登録(「たびレジ」)の運用を

開始しています(http://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)。登録者は,滞在先の最新の渡航情報や緊急事態

発生時の連絡メール,また,いざという時の緊急連絡などの受け取りが可能ですので,ぜひ活用してください。

 

(問い合わせ窓口)

 ○外務省海外安全相談センター

  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

 

(外務省関連課室連絡先)

 ○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5139

 ○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3679

 ○外務省 海外安全ホームページ:

  http://www.anzen.mofa.go.jp http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)

 

(現地公館連絡先)

 ○在マレーシア日本国大使館

  住所:11, Persiaran Stonor, Off Jalan Tun Razak, 50450 Kuala Lumpur, Malaysia

  電話: (市外局番03) 2177-2600  国外からは(国番号60)-3-2177-2600

  FAX : (市外局番03) 2143-1739  国外からは(国番号60)-3-2143-1739

  ホームページ: http://www.my.emb-japan.go.jp/Japanese/index.htm

 

※本情報は、海外に渡航・滞在される方が自分自身の判断で安全を確保するための参考情報です。

本情報が発出されていないからといって、安全が保証されるというものではありません。

※本情報は、法令上の強制力をもって、個人の渡航や旅行会社による主催旅行を禁止したり、

退避を命令するものでもありません。

※海外では「自分の身は自分で守る」との心構えをもって、渡航・滞在の目的に合わせた情報収集や安全対策に

 努めてください。

 

●ジョホール日本人会としましては、今後とも地域の安全に関する情報の発信、共有化に努めて参ります。

 会員皆様からの安全情報のご提供をお待ちしておりますので、何卒事務局までご連絡頂きます様、

 よろしくお願い致します。

                                 以上