安全情報1534-大使館情報

                海外安全対策情報(平成27年7月~9月)

【1.治安情勢概説】

(1)    最近の動向

マレーシア国内では、8月下旬にクアラルンプール市内等で市民団体「Bersih」による大規模デモ・集会が実施されて以降、9月中旬にはク アラルンプール市内でこれに対抗する市民団体による大規模デモ・集会が行われ、放水車が出動する事態が発生しました。 また、9月24日に は、米国などの欧米大使館が、自国民にクアラルンプール市内の外国人が多数訪れる繁華街で具体的なテロの脅威があるとして、当該地区及びその周辺に近づか ないよう呼び掛ける安全情報を発出し、当館も翌25日に注意を呼び掛けるスポット情報を発出しています。

 

(2)    犯罪認知件数と犯罪発生傾向

マレーシア国内における2014年中の犯罪発生認知件数(除く知能犯罪、薬物犯罪等)は、128,544件で、前年比マイナス18,518件と大幅に減少し、殺人事件の発生件数も510件と前年比117件の減少となりました。   しかし、犯罪発生率を日本と比べると当地の犯罪発生率は日本の約2倍に上り、特に強盗事件の発生率は日本の約23倍と、身体や生命の安全を脅かしかねない犯罪が、日本より遙かに高い割合で発生していることに注意する必要があります。

 

(3)    テロ情勢

当地では、これまで爆弾テロや無差別乱射事件といった事案は発生していませんが、上述したような安全・スポット情報が発出されているとおり、テロの脅威が存在することを踏まえて行動する必要があります。

 

(4)    邦人の皆様へのお願い

在留邦人及び旅行者の皆様にあっては、言語、法制度、警察組織や犯罪捜査手続など、あらゆる事象が日本と異なること、また、万が一犯罪に巻き込まれた 場合でも、日本の警察が行うようなきめの細かい対応は期待できないことをよく理解し、まずは、「犯罪に巻き込まれない」ように注意し、万一、犯罪に巻き込 まれた場合でも、「身体の安全を第一に行動する」ことを肝に銘じ、必要な防犯対策を進める必要があります。また、空港や駅などの交通の要所や外国人観光客が多数集まる名所・旧跡、大規模商業施設では、外国人観光客を狙ったテロ事件が発生し、被害に遭遇する可能性が十分あることを念頭に置いて行動することが重要です。

 

【2.一般犯罪・凶悪犯罪の事例・手口】

ひったくり、置き引き、車上狙いなどの窃盗被害は、在留者及び旅行者を問わず発生しており、7月以降に大使館へ寄せられた犯罪では次のような事案が報告されています。

 

ア 置き引き(盗難防止警報装置を装備する車両からのバッグ盗難)

7月4日午後9時頃、ジョホール州内の都市部繁華街で、自動車の助手席側窓ガラスを割られ、車内に置き忘れていた鞄を盗まれる事案がありました当該自動車には盗難防止警報装置が装着されていましたが、装置は作動しなかったということです。

 

イ ひったくり(観光地を散策中にバイクに乗車した男に鞄を強奪)

7月15日午後4時頃、シャーアラム地区の観光地を散策していた旅行客が、バイクに乗った犯人にバッグを奪われる事件が発生しました。この事件では被害者に怪我はありませんでしたが、9月13日午後9時半頃にクアラルンプール市内中心部で発生したひったくり事件では、当地で長年生活している邦人在留者がバッグをひったくられ、その際転倒して頭部を縫う怪我を負っています。

 

ウ すり(大規模商業施設内ATMで現金引き出し直後に被害)

8月9日午後5時半頃、クアラルンプール市内中心部のショッピングモー ル内のATMで現金を引き出した被害者が、子弟をあやしながらモール内を散策していたところ、いつの間にか肩掛けしていたバッグから現金やクレジットカー ドが入った財布を盗まれていました。前後の状況から、犯人はATM付近で現金を下ろす被害者を確認し、追尾しながら犯行のチャンスを探っていたものと思われます。

 

 

エ ニセ警官による窃盗(手荷物検査に応じたところ現金を窃取)

8月14日、ジョホールバル市を観光中の旅行者が、警察官のような制服を着用した男性に声をかけられ、手荷物検査を受けたところ、荷物に入っていた財布から現金を抜き取られる被害に遭いました。

※ 当地ではニセ警官や休職中の警察官による「所持品検査」に名を借りた金銭要求事案や金銭の抜き取り事案がしばしば発生していることから、警察官に職務質問等を受けた際は、必ず氏名と職員番号、身分証を確認するよう注意喚起されています。

 

オ 国際送金詐欺(いわゆる「ロマンス」詐欺など)

国内外の「国際交流サイト」等で知り合った外国人にそそのかされ、マレーシアやその他の国々へ国際送金してしまう事案が多数発生しています。大多数の場合、犯人は架空の異性(男性の場合、欧米系白人で企業コンサルタント、米国軍人、バンカー等を名乗る事が多い)により親しくメールをやりと りするようになった被害者が、各種トラブルに陥った相手方(犯人)に数十万円程度の送金すると連絡が取れなくなるというものです。犯行は組織的に行われ、相手方の他に税関職員や宅配業者等、巧妙に役割を分担して送金を促すケースや、一度送金すると更に高額の送金を要求することもあるため、不審な金銭の無心には応じないことが重要です。

 

カ インターネット・オークション詐欺

日本国内でネットショップやインターネット・オークションサイトに出品している邦人が、品物を騙し取られる詐欺で、多くの場合、スマートフォンや貴金属類など換金価値のあるものを狙っています。多くの手口では、犯人側は、高額な金額を提示して被害者と直接取引を試みたり、海外の銀行を装い送金受付のメールをねつ造して被害者へ送金したと誤解させ、品物を送らせようとしています。多くの場合、犯人はEMS(国際スピード郵便)で被害品をマレーシアへ送るよう要求し、EMSの配達状況追跡サービスを悪用して郵便局到着を見計らい、被害品を窓口で直接受け取り逃走している模様です。

この配送先住所には居住事実がなく、受取時に提示する身分証明書も偽造身分証で人定をわからないようにしていることがほとんどです。したがって、海外との取引に際し、殊更にオークションサイトを通さない直接取引を要求されたり、銀行口座への入金確認前にも関わらず、あれこれ理由を付け て「直ちに送って欲しい」等の依頼があった場合は、「オークション詐欺かもしれない」と疑ってかかる必要があります。

 

 

【3.テロ・爆弾事件発生状況】

【テロ情勢】

冒頭でも触れたとおり、大使館では9月25日にクアラルンプール市内のテロの脅威に関するスポット情報を発出したほか、10月5日には外務省 海外安全ホームページにバングラデシュで発生した邦人殺害事件の発生に伴う注意喚起を発出しています。マレーシア国家警察は、テロ対策の一環としてISIL関係者の摘発を強力に進めておりますが、被逮捕者の中に「主婦」や「公務員」といったごく一般的な市民が含まれるなど、その支持者の裾野は広がっていると言わざるを得ない状況にあります。本年4月には2度の摘発により30人近くの関係者が逮捕されたほか、6月にはマレーシア国内でISILへの勧誘を行っていたとされる北アフリカ出身の男性が検挙されています。ISILを巡っては、既に70人を越えるマレーシア人が、イラク及びシリアに渡航しての活動に参加していると伝えられているほか、複数の戦闘経験者がマレーシアに帰還しているとみられています。このように、マレーシア国内各地にはテロを企図する個人及び組織が存在することが判明しており、今後とも十分な警戒が必要です。また、マレーシアには欧米系資本のホテルや飲食店が多数進出しているほか、特にクアラルンプール市内ではショッピングモールやナイトクラブ等、欧米はもとより世界各国からの観光客が多数訪れる施設が多数存在します。このことから、万一、外国人観光客を狙ったテロ事件が発生した場合には、在留邦人も被害に巻き込まれる可能性が高いと言えます。なお、2013年2月以降、テロ関連容疑でマレーシア国家警察に逮捕された者の人数は、120人以上に上ります(9月末現在)。

【武装勢力の侵入事案(東マレーシア・サバ州)】

在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州南東部ラハ・ダトゥ地区周辺では、2013年2月に数百人規模の武装勢力「スールー王国軍」がフィリピン側から侵入し、鎮圧に数か月を要したという事案が発生しました。翌2014年6月には、当該勢力と関係を持つとされる者が複数逮捕されており、当該地区には同勢力を支援する者が未だ潜伏している可能性が高いとされています。9月末現在、当該地区に対しては、海外安全情報(旧渡航情報)における危険情報のカテゴリー(4段階)のうち、レベル4(退避勧告)に準じる「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」を継続発出中です。

 

【4.誘拐・脅迫事件発生状況】

【外国人襲撃・誘拐事件】

在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、かねてから身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しており、2014年4月以降、5件の誘拐事件が発生しています。

 

      ・2014年4月 センポルナ近海(シンガマタ島)外国人旅行者1名、比人従業員1名

      ・2014年5月 ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)養魚場マネージャー1名

      ・2014年6月 クナ近郊(サバン村沿岸)養魚場オーナー1名、比人従業員1名

      ・2014年7月 センポルナ近海(マブール島)海上警察官2名(内1名射殺)

・2015年5月 サンダカン海岸 レストランオーナー1人、外国人客1人

 

各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、リゾート施設や養魚場など海に面した場所で被害者を拉致し、高速ボートでフィリピン南部の島へ連れ去っているということです。本事案を巡っては、「犯人の一部が逮捕された」等の報道もされていますが、全容の解明など犯行グループを壊滅するには至っていません。

これら一連の誘拐事件を受け、サバ州東海域では、2014年7月から夜間航行禁止令が継続して発出されており、禁止時間帯に許可なく同海域を通行する船舶 は警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課されています。なお、上述のとおり当該地区については、9月末現在、海外安全情報の危険情報カテゴリー3「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」を継続発出中です。

 

【5. 対日感情】

全体的に良好ですが、10月初旬、第二次世界大戦終結70周年をとらえて国内の中華系マレーシア人の団体が大使館を訪ねて文書を手渡そうとする事案が発生しています。よって、太平洋戦争勃発や各種戦役等の記念日をとらえ、各種示威活動を展開するなどの活動があり得ることを念頭に置く必要があります。

なお、一部の華字紙には、これらの記念日等の前後に反日的な記事が掲載されることがあります。

 

【6. 日本企業の安全に関する諸問題】

邦人及び現地社員に対する犯罪被害防止の対策とともに、他国企業では警備員や社内の者が手引きしたと思われる窃盗事案も発生していることに鑑み、社員及び警備員に関する採用人事や勤務管理等には、特に注意を払う必要があります。

 

●犯罪情報につきましては、在マレーシア日本国大使館のホームページにも掲載されておりますので是非一度ご確認

ください。 (http://www.my.emb-japan.go.jp/

 

●ジョホール日本人会としましては、今後とも地域の安全に関する情報の発信、共有化に努めて参ります。

会員皆様からの安全情報のご提供をお待ちしておりますので、身近な事件・事故などありましたら、

何卒事務局までご連絡頂きます様、よろしくお願い致します。