クアラルンプール市内におけるテロ被疑者逮捕に伴う注意喚起
「刃物による無差別殺傷」も念頭に事件事故への警戒心を持ちましょう
平成28年1月20日
マレーシア日本国大使館
1 最近の情勢
マレーシア国家警察は、1月15日(金)、午後10時ごろ、セティアワングサ都市交通駅(LRT Setiawangsa)
において、28歳のマレーシア人を、ISとの関連及びテロ攻撃企図に関する容疑で逮捕したと発表しています。
犯人は、逮捕されたときにナイフを所持していたということです。
マレーシアでは、国家警察長官が「警戒態勢を最高レベルへと引き上げ、ショッピングモールや観光地などにおける
警戒措置を強化する」旨述べるなど、治安当局による警戒体制を強化しているところです。
東南アジア地域では、昨年8月にタイ・バンコクの繁華街で爆弾事件が、同年9月にはフィリピン・ミンダナオ島
ダバオ州の観光地で外国人誘拐事件が、本年1月14日には、インドネシア・ジャカルタで爆弾テロ事件がそれぞれ
発生していることから、在留邦人・短期滞在者の皆様には、治安情勢の把握ともに事件事故に遭遇しないように判断し、
行動するようご案内して参りました。
(参考:海外安全情報「ジャカルタ中心部における爆弾テロ事件の発生に伴う注意喚起」)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo.asp?infocode=2016C016
2 特定場所にこだわらず警戒心を保持
一方で、1月15日に一部報道が、クアラルンプール市内の欧米系の住民や観光客が多く集まる場所等が
「テロの危険がある」として名指しされたことについて、国家警察長官が、「曖昧な情報を不用意にソーシャル
メディア等で拡散しないようにして欲しい」と呼びかけるなど、テロに関する様々な噂や憶測が流布している状況を
認めています。
一部報道で名指しされた場所は、かねてから当館が「テロ事件の発生も念頭に置いて行動すべき場所」として
ご案内している、
○ 大規模商業施設(ショッピングモール)や有名な観光地
○ 欧米観光客や欧米系住民が多数参集する地区
に該当します。
つきましては、皆様におかれましても、特定の地名や場所にこだわることなく、日頃から報道や大使館からの
注意喚起等をご確認いただき、各種事件・事故に巻き込まれないようご注意下さい。
3 刃物を使用した殺傷事件に関する諸注意
15日に逮捕された犯人は、ナイフを所持していました。
そこで、ナイフや山刀(パラン刀)といった「刃物を使用した無差別殺傷事件」に関する注意事項を以下のとおり
紹介しますので、皆様におかれましては各項目を確認し、事件に遭遇しないために何に注意する必要があるのか
ご検討下さい。
(1) 刃物を使用した殺傷事件の特徴、
ア 凶器を使用した際に音が出ないので、周囲の人々が気づきにくい
イ 銃器や爆弾と異なり一回の簡単な動作(切りつける、刺す、突く)で殺傷が可能
ウ 胸部や腹部あるいは頸部など、負傷箇所によっては一回の切り傷や刺し傷が致命傷となることがある
エ 温暖高温地帯では軽装のため、寒冷地よりも負傷程度が深くなる傾向にある
(2) 被害防止の着眼点
ア 注意と警戒-犯人との遭遇・接近を避ける-
自分の周辺にいる人々の動静に注意を払い、殊更に近づいてくる人物がいたら、「ひったくり」や
「すり・置き引き」の可能性ともに、「刃物による殺傷の可能性」も考慮する
イ 不審者の早期発見と速やかな現場離脱
繁華街や待ち合わせ場所など人の往来が激しいところで、周囲の雰囲気と異なる人物、例えばリュックサック
等に手を入れて周囲を見回している者や、ポケット等に手を入れたまま落ち着かない様子を見せている者など
を認知したら、速やかにその場を離れる
ウ 「距離(間合い)」の確保~相手の攻撃圏内に入らない
○ 万一、犯人と遭遇してしまった場合には、不用意に振り返らず、相手と正対しながら距離を取る
○ 持ち物や周囲にある物を投げつけ、相手を近づけずに視界を遮る
(3) 「事件に遭遇しない」ことが一番の対策
ア 刃物所持者への対抗は困難
刃物を持った者に素手で対抗することは、訓練を受けている者でも非常に困難。
一般人には「距離(間合い)」を確保することも容易なことではない
イ 「もしも被害に遭遇したら」の励行
外出時に様々の場所で「もしこの場面で刃物を持った暴漢が表れたらどのように対処できるか」を想像し、
脱出ルートを考えておく
ウ 動きやすい服装と移動しやすい靴を選ぶ
「走って逃げる」、「階段を駆け上る・降りる」可能性を考慮した外出準備をする
4 その他
銃乱射事件や爆弾テロ事件に対する備えについては、繰りかえしとなりますが、平成27年12月22日
付けの領事情報「銃乱射事件及び爆弾テロ事件に関する注意喚起-日頃から警戒と備えを怠らないように
しましょう」にて、ご紹介していますので、ご一読下さい。
また、外務省海外安全ホームページ( http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html )
には銃乱射・爆弾テロ事件等への対策を列挙したパンフレット等
(http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/counter-terrorism.pdf)を掲載していますので、併せてご参照ください。
●ジョホール日本人会としましては、今後とも地域の安全に関する情報の発信、共有化に努めて参ります。
会員皆様からの安全情報のご提供をお待ちしておりますので、何卒事務局までご連絡頂きます様、よろしくお願い致します。
以上